なぜこの時期に検証記事なのか
朝日「慰安婦問題」にみる軸足の変化
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朝日新聞が8月5日と6日の両日にわたって掲載した「慰安婦問題を考える」は、過去の報道に関する検証記事である。
今回の検証記事がなぜ、いまなのか。そして、その意図とはなにか。
朝日の社説をはじめとする歴史問題などについて、社論に変化はないのか。
そうした視点に立ってみるとき、朝日の紙面から屈折した報道姿勢の光がみえてくる。
朝日をめぐる慰安婦問題の発端は、よく知られているように1992年1月11日付の紙面の植村隆記者の記事である。戦時中に日本が主として朝鮮人の女性を従軍慰安婦として、女子挺身隊の名で強制的に連行した、と報じた。
この問題が長年にわたって論議されるなかで、現代史…