「たとえば、ここに100人の村があったとしよう。
その住民のうち39人は10歳以下であり、20歳以下と考えるとその数は57名に達し、30歳以下では70名まで及ぶ。この村で無事還暦を迎えられたのは、5名に満たない……」
『創刊の社会史』(難波巧士・ちくま新書・2009年)のなかで、難波が「100人の村」になぞらえているのは、日本の雑誌業界の生存競争について語っている。
還暦を迎えるどころかその後も誌齢を重ねてきた、『週刊朝日』と『サンデー毎日』のライバル同士に雑誌業界の100人の村人の視線が注がれている。両誌はともに1922年の創刊である。
新聞社系の週刊誌は、ライバルの新聞に広告…