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「次に来る時代」を読む①

2017年2月7日

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エルネオス 田部康喜 「広報マンの攻防」 寄稿

 広報パーソンは組織における神経細胞の結節のシナップスである。消費者をはじめとする対外的な情報発信をいかにするか、シナップスを通過する情報を精査する。

 もうひとつの機能は、社会にとって重要な情報にもかかわらず、組織のなかで過小評価されているか、華々しくはみえない活動を掘り起こすことである。

 こうした広報パーソンの役割は、このシリーズで幾度も述べてきたように、ジャーナリストのそれと変わらない。組織の真実を消費者に伝えるという意味において、ジャーナリストと広報パーソンは裏表の関係にある。どちらが表裏かは問題ではない。

 余談になるが、広報室長として働いていた時、このなかの三人と組んで記者クラブにメディアの一員として加わったなら、他社との競争にかなり勝てると確信したものである。

 さて、組織内の「新しい情報」を掘り起こすためには、世界つまり社会が向かっている方向性を定めるが常道である。ジャーナリストの指針でもある。

 日本経済新聞の元旦の社説は次のようにいう。

「『フラット化する世界』でグローバル化のありようを描いたトーマス・フリードマン氏。近著『Thank you for being late』で、デジタル化の衝撃を『スーパーノバ』(超新星)と名付けた。『iPhone』や『Android』が生まれた〇七年がグーテンベルク以来の技術的な転換点の年だったと指摘している。この間、デジタル技術を使うコストは驚異的に下がった。人間一人分のヒトゲノムの解析費用は、〇一年一億ドルだったのが、一五年には一〇〇〇ドルに下がった」

 日経の社説子は〇七年当時、「超新星」の強烈な明るさを認識できなかったようにみえる。「iPhоne」の専売権を握った孫正義氏はいうまでもなく、「超新星」を見ていた。

 新聞記者時代の私の指針は一九八〇年に日本語版が刊行された「第三の波』(アルビン・トフラー)だった。農業革命と産業続くデジタル情報革命は、すべての産業を変えていくという予言である。デジタル情報革命を声高に唱えていた、日本の経営者は当時、孫氏ぐらいだった。

「Windоws3・0」の日本語版が発売された一九九〇年、デジタル情報革命の視点からみると、日本の電機メーカーが製造していた、「日の丸ОS」をベースとしていたPCがマイクロソフトに席巻される瞬間だった。

 経済面をはじめ多くの面で記事を展開した。ライバルの経済面のトップが「北朝鮮からのマツタケの輸入増える」であったことを覚えている。

 広報パーソンがこれからの指針とすべき著作は『<インターネット>の次に来るもの』(ケヴィン・ケリー著・服部桂訳)だろう。

 次の時代の準備がすでに過去十数年の間に行われていたことがわかる。グーグルは単なる検索サービスではない。創業者たちは、設立当初から人口知能(AI)に検索する人々と検索結果の「知」を学ばせるシステムを構築していたのである。

        (この項続く)

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